Hail Hail
2016年3月11日(土) その3
アウトバックで食事を終えて再びロージー、オグレイディへ。
早くもセルティックファンは集まっているが、まだ顔見知りはいない。
ビールを頼んで窓際で飲む、テレビではオーストラリアとイングランドのラグビーテストマッチが行なわれている。さすがにラグビーの国でもあるオーストラリア、フットボールファンでも注目して応援している。(こちらではあまりフットボールファンとラグビーファンの区分けはないのかも)
昨日、わざと置き忘れていった東京CSCのバナー(フラッグ)は、剥がしてパースCSCの倉庫にしまってあるので今日取りに来てくれ、とメッセージをもらっていた。
2階にあるのかな?と思ったら2階への階段が閉鎖されていたので、オープンになるまで待つことにする。
ここまでは、すっかり今日のチャーリー アンド ザ ボーイズのライブも2階でやるもんだと思っていたので、多分セッティングとかリハーサルとかあるんだろうと思っていた。
そうこうしているうちにセルティックファンが集まり始めているが、中にはセルティックのストリップではなく、緑のベレー帽と、軍服に近い制服をきた人たちもわらわらと集まってくる。
最初の頃はなぜ彼らがそのような格好をしているのかが理解できなかった。
やがて、店にはブライアン始め昼間のフットボールを終えて着替えてやってきたシドニーシティCSCの面々やパースCSCのアンディなどとも再会し、イベントが始まるまで1階で飲むことに。
ブライアンに外に行こうと言われ店の敷地内のテラスに、ここではタバコが吸えるためくさくてかなわん。しかし、ここにもきちんと赤外線ヒーターが取り付けられていた。
やっぱりオーストラリアは外で(公道や公園)アルコール飲むのは違法なんでしょ?と聞いてみると、こういうテラスでなら飲んでも大丈夫だけど、一歩外に出たり、他の建物に移動するときに飲みかけのアルコールを持って外に出るのも違法らしい。
そんな中でどこからかリハーサルの音が聞こえてくるが、その音を聞いて先ほどの制服を着た人達が何者か判明した。彼らはマーチングバンドの面々であった。
アイルランドやスコットランド、イングランドなどにおけるマーチングバンドの存在は意外にも大きく、大体のパレードやデモにはマーチングバンド(パレードバンド)が演奏している。
その起源や意味合いまではわかりかねるが、アメリカの軍隊や大学のマーチングバンドのメインがブラスバンドであるものの、アイルランドやスコットランドは代わりにホイッスル(横笛)とドラミングと言うシンプルな構成。
管弦楽を使用していない分勇壮な感じはしないが、ホイッスルの音色がなんとも郷愁を誘う感じになる。
どんどん、人が集まり出している頃パースCSCからアナウンスがあり、チケットを受け取って会場へ移動してくれとある。まあそこはセルティックファン自分のパイントグラスは空けてから行くのがエチケット。
そういえばチケットを受け取っていなかったので1F奥のトイレ近くに作ったチケットコレクションコーナーに行ってくる。事前に予約しておいたので(この日のライブはソールドアウト!)コーナーで名前を言うととっておいてくれたチケットをチケット代と交換で渡してくれる。
それを受け取ってビールのグラスを空けた後、一旦店を出て同じ建屋だが隣の会場へ移動する。当初、2階でライブが行われるものと思っていたが、別に会場があると知ってびっくり、そして移動してチケットを渡した先に行ってみた会場を見てさらにびっくり!
なんと、300人〜500人は入ろうかというぐらいのホールがあった。もちろんステージ、PA、スクリーンなどイベントに使用する設備は完備、さらにホール内にもバーカウンターがあるので、オーダーもここで出来る。
しかも、壁には一面セルティックのフラッグやキット、写真などが飾られてあり、「セルティックファン専用」なのが伺える。
ヒョエーー、こんなアイリッシュパブ今まで見たことないや。シドニーの「Cheers Bar」も地下がライブハウス、1階がラウンジ兼パブ、2階がプールバーとなっているが、規模はロージーにかなわない。もちろん、グラスゴーでもダブリンでもここまでの規模はみたことない。
すでに100人近くのセルティックファンが集まっている。もうこの時点で興奮度は上がりまくり、なぜだろう一種の催眠効果か洗脳か、セルティックファンがこれだけ視界に入ってくると何かスイッチが入ってしまう。
シンプルなデザインの緑と白のレプリカを見ると、興奮スイッチが入るようだ。
たとえそれが試合がなくても、グラスゴーじゃなくてもセルティックパークじゃなくても、パブロフの犬状態。
しかもしかも、昨日置き忘れていった東京CSCのバナーは、バーカウンターの上にデカデカと飾ってもらっているではないか。あれじゃあ自分では取れないので、今日ももうこのまま放っておくことにする。明日の最終日中に回収できればいいや。
いろいろ写メを撮りながらトイレに行って戻ってきた時に、やっと今回の目的の一つ、ギャリーとの再会を果たせた!
ギャリーと初めて会ったのは10年前のグラスゴー、ギャロウゲート。ベアーズバーで一人飲んでいて煙草を吸いに外に出たところ声をかけられ一緒に飲んだセルティックファンの一人だった。
その後2008年のアイブロックスで2度目の遭遇をし、2013年のCLユベントス戦の時にも事前に家に招待してくれて食事に誘ってくれたが、予定が合わず泣く泣く断ったものの、BARD で行われた試合前のプレマッチパーティで再会し家族と挨拶。2015年の最終節でも会うチャンスがあったのだが、ポール ザ ティムと出待ちしていたので会えなくて残念。。。
と思っていたら、秋にパースへ引っ越したという連絡があったので、今回のパース渡航の際に会おうという約束をしていたのだった。
さらに今回の再会の際ギャリーがフェイスブックをログオフしていたため(いろいろなくだらない投稿を見るのに飽きたと言っていた。)奥さんのアリソンを通して連絡を取っていたのだが、そのアリソンとも嬉しい初対面、アリソンもものすごくフレンドリーで素敵な女性。
そして今回のパース引っ越しのきっかけになったギャリーの幼馴染のピーターともあいさつした。
ギャリーは、内装業、ピーターは左官業なので、仕事も似通っている。奥さんがオーストラリア人でパースに来てもう11年になるそうだ。
ただ、ワーキングビザを取るのに2年ぐらいかかったとか結構来るまでの体験談をおしえてもらった。
話しながら飲んでいるとライブが始まる。フロントとしてパースの地元マーチングバンドがアイリッシュレベルソングを演奏してくれて場を盛り上げる。
数曲演奏したのち、メインであるCharlie and The Bhoysにバトンタッチ。
「Let The People Sing」「This Land is Your Land」から始まり、普段Youtubeで見るようなセルティックソングよりもレベルソング中心で演奏している。オーストラリアだからかな。
やはり安定のかっこよさ、それよりも何よりも会場内のセルティックファンの盛り上がりが凄い、グラスゴーのバロウランドでのライブ映像も、ほとんど有名な野外フェスのトリを務めるバンドでの客の盛り上がりのように、人生の中で何千回と聞いている曲なのに、待ってましたとばかりに盛り上がる。
もちろん自分でも不思議なのだが、これらの曲は何度聞いても飽きることなくいつ聞いても盛り上がれる。
普段の生活やクラブの応援を通じて深く刷り込まれていることは間違いない。
ということは、余談だけど、長く歌い継がれていく歌やチャントがあれば、連帯感は非常に生まれやすくなるし強くなりやすい。
それを機会あるごとに演奏して歌って盛り上がる。賛美歌やゴスペルと似たようなことだ。
宗教と密接な彼らだから日常生活にも自然と取り入れているんだろう。
ライブの合間にはスエージ前でハドル(円陣)を組んで飛び跳ねたり、ブレンダンロジャースのチャントを歌い出したり、みんなで肩を組んで曲に合わせてジャンプしたり、老若男女関係なく飛び跳ね、大声をあげ拳を振り上げ、会場内はヒートアップする。
あっという間の2時間が過ぎ最後はジョージ・マクラウスキーもステージに上がって全員で、「The Fields of Athenry」「Over and Over」「The Celtic Song」などを熱唱してライブは終了した。
(自分もちょっとステージに上がりたくなったが我慢したのは秘密)
ライブが終わった後もたくさんのファンが残って飲んでいるが、2日連続の大騒ぎで疲れもたまっていたので、早々に切り上げてホテルに戻る。
何時についたのか何時に寝たのかは不明。
今日もハードな一日だった。
次の日へ続く。(動画は後日アップします)
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