Hail Hail
2008年12月27日(土) その2
アイブロックスへ連れてってくれるバスは、15分遅れの11時45分に出発。
12時半のキックオフに果たして間に合うだろうか。。。
バスの前の方に座ったのだが、周りは比較的静かだけど後部座席にいるファンは早くもヒートアップ、バス内にチャントが響き渡る。さすがにレンジャース戦でしかもアウェー、盛り上がらない方がおかしい。
6年前のシュツットガルト戦の時に比べ今でははるかに歌える曲数も多くなっている。
やはり、たとえ言葉が通じなくても初対面でも一緒に盛り上がれるものがあればそれだけで距離が縮まるもの。
15分ほどの短い時間だったが、アウェーツアーの楽しさを知ることができた。
バスはスタジアムから少し離れたところに停まり全員降りて歩いてスタジアムへ。
アウェーツアー用のバスは一箇所に駐車させられるので、アイブロックスに向かうのにセルティックパークのようなファンの密集度。
スタジアムに向かう道すがら、やはりかもちゃんと二人目立つので、周りからどんどん声をかけられる。
「お前、テレビで見たぞ〜」「先週のドキュメンタリーに出てたなー」「ネイラーとドナーティ(試合を見ながらひどいパフォーマンスに文句を言ったり、インタビューで答えたりしていた)に対するコメントには笑ったよ」などなど。
一緒に写真撮ってくれ、握手してくれの攻勢も激しく前のファンの進みが鈍くなると、どんどん声をかけてきて、かもちゃんからも「超セレブじゃんwww」と突っ込まれる。
アイブロックスへ向かう途中にもセルティックファンがスカーフの露店を出していてほしいのがいくつもあるが、試合開始も近く立ち止まってられずに素通りしてしまう。
さすがはオールドファーム、スタジアムに続く道路沿いには警官隊がびっしり!通りの向こう側にはレンジャーズファンが大勢見えるが、一切向こう側には行けそうにないぐらい。
今まで色々な試合を見ているがここまで厳重なのは初めてかも。
セルティックファンの中にも、何人もが試合観戦のために歩いてくるファンにお金を見せてあまりチケットを探している。その中になんと二人組の日本人もアイブロックスの敷地に入ったところにいたので、声をかけてみると、一人はロンドンにいて一人は日本から来たらしい。もし、取れなかったらベアーズバーとかに行くといいよ、とアドバイスしておいたら、なんと超幸運なことにセルティックファンから定価で譲ってもらった!と試合後に聞いた。
ゲートは大混雑でなかなか進まない。そうこうしているうちになんと試合開始の時間になってしまった。この試合はやはり選手入場から見たかっただけに残念。
ただ、ゲートで列が進む間、ずーっとセルティックのチャントを大合唱!でさらにヒートアップし捲り。
並び始めて15分近く経ってようやくターンスタイルをくぐり入場。
席はローワー(1階席)の中段右手より。右手にはメインスタンドに陣取るレンジャーズファンが良く見える。
セルティックファンはゴール裏1スタンド分まるまる占めているので、レンジャーズファンとの仕切りはない、その代わりにグランドレベルにはセキュリティスタッフがびっしり並んでいる。
スタジアムの全体を眺めてみると、外側から見るよりかなり歴史(=ボロい)を感じさせる造り。メインスタンドは3階席まである。構造的にセルティックパークとは「対照的」で、各階層の一番奥の席は屋根が邪魔で見づらそう。
この試合、中村俊輔は怪我で欠場、その代わりにもう一人の日本人、水野晃樹がオールドファーム初先発を果たしている。2トップはサマラスと”スキッピー” ことマクドナルド。
スタンドに入った時はすでに前半20分近くになっていた。
前半は自分たちのいるスタンドから反対側へセルティックが攻めていたので、なかなか様子がわかりづらい。
しかし、ゴール前のチャンスよりも中盤での激しいチェックと、1プレー1プレーに浴びせられる野次と怒号、罵声がいかにもオールドファームらしさを物語っている。
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しかもこちらはアウェー。
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圧倒的多数で3方向を埋め尽くし、赤と青と白の色(ユニオンジャック)で身を包んで、熱狂的に自チームを応援するだけではなく、何よりもセルティックを憎悪している感が半端ない。
応援のチャントをかき消すようなブーイングと口笛、セルティックの選手がファールしようものならスタンドから飛び出して掴みかかろうか、と言わんばかりの非難を浴びせ、チャンスと見るや大声援とゴッドセイブザクイーン、ルールブリタニアなど、こちらの感情を逆なでするチャントをくりかえす。
さらにはメインスタンドの近隣からはゴール裏スタンドに陣取るセルティックファンに向けて醜態を晒し、放送禁止のジェスチャーと罵詈雑言を試合そっちのけでこれでもかと浴びせかける。
前回のスコティッシュカップのレンジャーズ戦もアウェーファンの近くだったので、危険は付き物だけど、やはりつばぜり合いできるロケーションでの観戦の方がなんともたまらなく掻き立てられる。
これこそが、ホームアンドアウェーの醍醐味だし、まさにオールドファーム!単に試合を観戦しているのではなく、戦っているチームをバックアップして一緒に戦っている感覚になる。
試合の展開に集中し、周りのセルティックファンとチームを鼓舞するチャントを大声で歌いながらも、この、「世界でも有数の熱を持つダービーマッチ」を心の底から満喫する。
前半はブラウン、ハートリーの中盤の潰し屋が、いい働きをするが、前線のサマラス、マクドナルドになかなかいいボールが供給できず、残念ながら両チームともチャンスを生かせないまま、0-0で終わる。
ハーフタイム中は、日本から持ってきたフラッグを取り出し記念撮影。
周りのファンも珍しいフラッグに喜んでくれて持つのを手伝ってくれたりカメラで写してくれる。
もちろんその時にも、ドキュメンタリーを見たファンから声をかけてくれたり、一緒に写真を撮ってくれお前はセルティックのレジェンドだと言ってくるファンがいたりで、楽しいひと時を過ごす。
後半はその3に続く