Hail Hail

3月7日(日)   その2

※本編に入るに、現時点でのおさらいをしておこう。

旅行記の時に行われているのは2003-04シーズンだが、その1シーズン前の2002-03シーズンで、セルティックはスペイン、セビージャでのUEFA CUPファイナルに進むものの”憎っくき”(お約束)ジョゼモウリーニョ率いるFCポルトに惜敗し準優勝に終わった。

さらにリーグも最終節で勝ち点と得失点差が並ぶという大接戦で迎えたが、セルティックはキルマーノックに4-0で勝ったものの、レンジャースがダンファームリンに6-1!で勝ったため、なんとたったの得失点差1で逆転優勝を奪われてしまったのである。(最終節前に追いつかれていた)

それを踏まえての2003-04シーズン、現時点での順位表はというと、、、

2004年3月7日時点

セルティック 26試合 25勝 1分 0敗   勝点76  得失点差+73!
レンジャース 26試合 19勝 3分 4敗   勝点60 得失点差+31
ハーツ    26試合 14勝 5分 7敗   勝点47 得失点差+10
…以下略
(マッチデープログラムから抜粋)

という圧倒的リードを保っているのである。

しかも、ヨーロッパの大会においては、双方ともチャンピオンズリーグ本戦に参戦していたが、
セルティック→バイエルン、リヨン、アンデルレヒトと一緒のグループで3位となり、UEFA CUPへ、準々決勝へ進み、相手はバルセロナ!!!
レンジャース→マンU、パナシナイコス、シュツットガルトと同組で最下位敗退!と勢いの差は歴然としているのである。

もちろん、この試合は一発勝負のカップ戦なのでリーグの順位は関係無い、と言いたいところだが、この2チームの対戦に限っては、少なからず影響を及ぼすのである。

なぜなら、双方のファンのプレッシャーが半端ないから!!!

ということを念頭に置いてもらった上で、旅行記を再開したいと思う。。。

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スカーフに書いてある文字は。。。Fxxk the 凸 Rangers。

スカーフに書いてある文字は。。。Fxxk the 凸 Rangers。

念願のチケットも無事ゲットし、オフィシャルストアでグッズも手に入れホクホクしながら、スタジアム周りをうろうろしていると、正面入り口になにやら1台の大型バスが到着。


そこにセルティックファンが一気に大勢群がってくる!

 

なんだなんだ?と思ったら一台のバスが!

なんだなんだ?と思ったら一台のバスが!

なんだなんだと自分もその中に紛れてみると、大型バスから出てきたのは、レンジャースのコーチングスタッフと選手達!!!

一斉にセルティックファンが激しいブーイングと、「チャンピオーネ、チャンピオーネ、オレ、オレ、オ~レ~」の大合唱!

マーティン・オニール(現アイルランド代表監督)が就任した2000-01シーズンからリーグ3連覇を目指していたものの昨シーズンはなんと得失点差1に泣いた。

その鬱憤を晴らすかのような今シーズン無敗の快進撃、勝ち点差も16に開き、3月の時点ながらほぼタイトルを奪還したと言ってもいい状況でのオールドファームは、セルティックファンにとって願っても無いことなんだよねー。

数千人のセルティックファンに罵声を浴びながら、レンジャースの選手達が無言でスタジアムへと入っていく。

この試合前の盛り上がりに鳥肌立ちまくり!

騒ぎが収まった後は少し早めにスタンドへ向かう。

 

セルティックファンがわらわらと。

セルティックファンがわらわらと。

 


自分の席があるリスボンライオンズスタンドは、なんと、1/3程仕切られていて、レンジャースのファンが陣取ることになっている。普段の他の試合はメインスタンドとのコーナー付近一角だけだが、チケットの配分上、数千人のレンジャースファンがやってくるので、1ブロック分の大きな緩衝エリアを設けながら同じスタンドに双方のファンが入るという形になるのだが、入り口のターンスタイルに向かうと、双方のファンが衝突しないように急増のフェンスで通路を隠しているのであった。

遂にターンスタイルをくぐり、念願のオールドファームダービーが行われるスタジアムに入る。

止まらぬ武者震い。

スタンドに入ると、そこには、

まさにパラダイス!!
セルティックパークの愛称はパラダイス)

 

ホントシビレるような素晴らしいスタジアム!

ホントシビレるような素晴らしいスタジアム!

 

 

試合開始には時間があるものの、前回は試合開始後に入場したので、スタジアムをゆっくりみることができなかった(前日のオールドトラフォードもそうだけど)。

しかも「たった!」数10席離れた向こう側には大勢のレンジャースファン

 

セキュリティと緩衝帯で仕切られた向こうにレンジャースファン!

セキュリティと緩衝帯で仕切られた向こうにレンジャースファン!

もちろん、緩衝エリアもあるし、緩衝エリアの両端には1段に1人ずつ警官を配備、セキュリティも万全なので安全なのだが、双方のファンの試合前からの罵倒しあい、挑発しあいが、盛上がっている。

グラウンドでは両チームが早くもウォーミングアップをしているが、控え室に戻る前にレンジャースファンへ挨拶、ここにもものすごいブーイング!

快晴のグラスゴー、試合開始10分前には8割以上スタンドは埋まり、やっと念願の「You’ll Never Walk Alone」の大合唱に加わることができて感無量!

しかも、前回怪我のため見ることが叶わなかったお目当のラーションも先発、スウェーデン代表のラーションではなくセルティックのラーションが見られるのは非常に楽しみ。

 

Walk on~ Walk on~と大合唱!

Walk on~ Walk on~と大合唱!


セルティックはGKダグラス、DF、マクナマラ、バルデ、バルガ、バルガーレン、
MFアガテ、レノン、トンプソン、ペトロフ、ピアソン、FWラーション、

レンジャースは、GKクロス、DFムーア、リクセン、ベルグ、フランク・デブール、
MFアルテタ(元アーセナル)、レイ、ボール、ヒューズ、
FWアルベラーゼ、ロベンクランツ(元シャルケ)

前半からホームのセルティックが優勢、若手のピアソンやペトロフ、トンプソン、レノンの中盤がボールを支配して進める。


トンプソンとペトロフのコンビでの突破やピアソンのドリブルなどでチャンスを作るも得点には結びつかず、
ラーションもコーナーからのヘダーで合わせるも枠の外。

 

キックオフ前のハドル(円陣)

キックオフ前のハドル(円陣)

 


オールドファームにありがちな選手同士の小競り合いも少なく結構クリーンな試合展開。

前半は0-0で終わる。

ハーフタイムでは、トイレにも行かず、自席でプログラムを見たりタバコを吸ったり(当時はスタンドで喫煙可だった)スタジアムの外から見えるグラスゴーの街を眺めたりして過ごす。

後半はセルティックが反対側のゴールエンドに向かって攻める。

後半8分か10分ぐらい経ったところ、トンプソンのフリーキックからのこぼれ球を双方ゴール前で奪い合い、GKクロスが味方と交錯した隙に空いたゴールマウスにこぼれてきたボールを

ラーションが流し込み、セルティック先制!!!!!

「YYYYYAAAAAASSSSSS!!!!!!!」
(Yes !が訛ってしかも大音量なので複数にしてるの)

ほぼ、全員と言っていいほど、スタジアムにいるセルティックファン、選手、スタッフ、ボールボーイまで立ち上がって大声出して跳ね回り飛び回り、
スカーフ振り回し、抱き合い、ガッツボーズ、が、

10分以上も続いた!!!

前回のシュツットガルト戦の得点後の大騒ぎなんてまったく比じゃない!

これ以上は言葉にできないほど、スタジアムがグワングワン揺れ、声も枯れよと言わんばかりの大歓声がずーーーっとスタジアム全体を包んでいる。

得点後のキックオフが始まってもまだ全然試合に集中せず、大騒ぎが続く!

それほど、レンジャース相手に得点する、勝つ、ということはセルティックファンにとっては大きな意味を持っていることを実感させられた。

試合はレンジャースも反撃を試みようとするが、セルティックのがっちりしたディフェンスにあい、チャンスすら作れない。

場内では「We shall not be moved」や「Championee Championee Ole Ole Ole」の大合唱が何度も起こり、自分のいるスタンドでは、左側にいるレンジャースファンに対して挑発がさらにヒートアップする。

その後は、比較的おとなしい展開が続き、残り5分ぐらいから勝利を確信したセルティックファンはスタジアムを後にし始める。

最後までやめないレンジャースファンの応援も虚しく、

1-0でセルティックが勝利を収めて、スコティッシュカップの準決勝に駒を進めたのであった。

試合後もスタンドでは双方のファン同士が挑発し合い、罵り合いを退場しながら続けている。それを十分に堪能し、スタジアムを離れたくない気持ちも残しつつ、かなりの人がいなくなった頃合いに出口へと向かうのであった。

 

初の自撮り、このころはタバコ吸ってた。。。

初の自撮り、このころはタバコ吸ってた。。。

 


試合のダイジェストはこちら

その3に続く。