Hail Hail
3月7日(日) その1
(注)2004年当時、1£=約200円換算でお読みください。
6時半起床、
7時出発。
朝食は8時からだが、初のスコットランド滞在なのでもったいないが、この日にかける意気込みが勝り、早めにチェックアウト。泊めてくれたレンフルーストリートのウィローホテルには本当に感謝!
ホテルを出てすぐにでっかいゴミ収集用のカゴというにはあまりにもでかい、トラックの荷台サイズのゴミ置き場がある。
そこで、ダンボールを発見し、1枚ゲット。
手頃な大きさにカットして、一面に
「I REALLY NEED A TICKET! HAIL HAIL」と記入。
前回サウサンプトンでチケット探しをした時と同じ方法を今回もやる予定。
事前情報ではスコットランドにはたとえオールドファームであってもダフ屋はいないらしい。他のチームだと商売にならないし、なかなかまとまった数入手できないからだろう。なので、なんとか一般のファンから余りチケットを譲ってもらうつもり。
ダンボールに WANT ではなく NEED と書いたところが、英語力多少アップした証かな。
セントラル駅までバスで行こうとしたが、バス停が見つからないので、結局30分以上かけて歩いていった。
7時45分 グラスゴーセントラル駅到着。
駅前には消防車が3~4台停まっていてなんだか日曜の朝なのに物々しい雰囲気。構内に入ってみると結構な人だかりができている、火事でもあったのだろうか。。。
ロッカーに荷物を預けて駅前で朝食を買い物し、バスでセルティックパークへ。
前回のバスとは違い今回はセルティックパークを挟んで反対側(グラスゴー中心地から見て左手)のギャロゲート経由のバス停で降りる。
8時半、そこから約5,6分歩いてセルティックパークに到着。まだ、キックオフ4時間前!! もちろんほとんど誰もいない。
まだ全然時間も早いので、暖かい薄曇りの空の中、ロンドンロード側に広大に広がる空き地の中にベンチを見つけてそこでまったりしながら朝食を食べる。(現在この空き地はなくなって室内型多目的ドームのエミレーツアリーナが建てられた。)
空き地の先では早くも今日の試合の警備の準備で警察が車両の配備や打ち合わせをしている。
フランスパンのサンドイッチを食べていると、男女二人組の警官がこちらにやってくる。
警官から話しかけられ、フットボールを見に来たの?と尋ねられたので、イエスと答える。
でも、まだチケットは入手できてないけどね、と返すと、チケットゲットできるといいね、と言ってくれたので、
ありがとうと返事。( ^ω^ )
どうやら、不審者ではないと思ったのか二人は離れていった
9時半、食事後に念のため、チケットオフィスに並ぶ。30分以上並んでいると、並んでいるファンも結構増えてきて
30~40人ぐらいになってきた。
10時5分、チケットオフィスがオープンし、順番に窓口へ。
自分の番がくるまでになんの話をしているか聞き耳を立てているとどおやら今日のちけっとではなく木曜日に行われるUEFA CUPのバルセロナ戦のチケットについてらしい。
自分の番になって窓口で今日のチケットのリターンはあるか聞いたが、今日のチケット(オールドファームダービー)は一般販売はしない、今日はバルセロナ戦のチケット販売で対象はシーズンチケットを持っている
ファンのみ、とつれない返事。。。
まあ、ある程度予想していたけどちょっとがっかり。
チケットオフィスを離れて、さて、これからが本番だ、と気合を注入。
どの場所に立ってどこからくるファンから余りチケットを探すか、思案にくれる。ブリッジトンの駅前にするのか、バス停にするのか、セルティックパークの敷地の入り口にするか。。。
まずは少しブリッジトンの駅方面にロンドンロードを歩きながら様子を見てみる。
セルティックパークを出てすぐにマッチデープログラムを売っていたので、1冊購入。見れもしないかもしれないのに買っても、とも思うが、
「いや、何が何でも絶対に見る!」と心に誓う。
11時、キックオフ1時間半前、人通りはまだ多くない。駅方面から来ている感じもないので、一旦スタジアム近くまで戻ることにする。
ただ、ロンドンロードの通りは人通りよりもはるか交通量が多く、CABやコーチ(マイクロバスや大型バスまで色々)の数がかなりを占めている。それらの車両の多くがセルティックパーク手前で左折し専用駐車場に流れて行っている。
そこの交差点が目立つだろうと、交差点の角に陣取っていざ勝負開始!ボール紙を出すまでは勇気がいるが、だし始めたら結構平気。
開始10分、誰も声をかけてはこない。
ふと、あるファンから声をかけられる。「チケットを探すならここよりも、左手の駐車場で探したほうがいいよ」
とアドバイスをもらう。
あ、そうかなるほどね。
と、思って歩き出したらすぐに、別の親子連れのファンに声をかけられる。
親父「チケットが欲しいのか?」
「イエス」
親父「息子のチケットが一枚余っているから買うか?」
「イエス!」
親父「ここは警察がいて目立つから他の場所に移動しよう」
「OK」
と、行って歩き出す。
警察の目が届かないちょっと離れたところに行き、今度は中学生ぐらいの息子にバトンタッチ。
しかし、彼の話している言葉が、全く聞き取れない!!!(>人<;)
何度か話してもらうが一単語も聞き取れない。で、息子のほうも会話にならないので変な空気が流れる。
こうなったら、とこちらから値段の提示をする。
「50でどうだ?」というと、
息子が親父に「50って言ってるけどどうする?」みたいなことを尋てる。
親父がこちらの足元を見て「60」と値段を吊り上げてくる。
さすがに躊躇したが、一般販売しないオールドファームダービー、見に行きたくてもチケットを持っていないファンもたくさんいて、しかも余りチケットも出回っている可能性も少ないとなると次のチャンスがあるかどうかわからないので、
あっさり「OK」
と交渉成立。ヽ(;▽;)ノ
あとで、ちょっと言い出した値段が高かったとか、もうちょっと£5でも交渉の余地はあったのではないかとか、ぐるぐるちょっとした後悔が頭を駆け巡ったが、その時は、全くそんな余裕はなく、
ただただプラチナチケットゲットできたことに大興奮していた。\(^o^)/
まあ兎にも角にも、朝一から行ってしかもキックオフ1時間前にはチケットがゲットできるという最高のシチュエーションになった。
しかも席は前回と同じリスボンライオンズスタンド(ゴール裏)だけど、今回はアッパー(2階席)。間違いなく試合の見易さは2階席のほうが断然いい。
後日談だが、その後、出会ったセルティックファンにこの話をすることが多いのだが、彼らの多くは、£60で買ったというと「非常に怒る」のである。セルティックファン同士、身内意識が強いので、日本人といえども同じセルティックファン相手にそんなビジネスをするなんてアンフェアだ!と言って憤るファンがたくさんいた。
まあ、自分もその時今ほどバリバリに応援していたわけではなかったというのもあるんだけど。だからロンドンにあるチームのチケットの値段やダフ屋の相場の話になると、クレイジーだとと言って目を丸くするのである。
ほっと一安心したあと、クラブショップでスカーフ、さらには追加のプログラムを3冊ほど購入。
(完全に気が大きくなってるな自分)
もう必要はないのだが、今後のためにと、先ほどアドバイスをもらったコーチの駐車場にいってみて様子を見てみる。
たしかにコーチで来たファンのほとんどが駐車場からセルティックパークに続く階段を使うので、階段を登った先で待ち伏せすれば確率が上がるかも。
ダフ屋らしき人を探すがやはりどこにも見当たらない。複数枚チケットを持っていて、他のファンに渡している
光景も見るが、ダフ屋ではなさそう。ただ、彼らにチケットの余りがないか聞いていくのも手ではある。
そんなこんなで想定外の幸運にも恵まれて、スコットランドはもちろんUKでも有数の熱いダービーマッチの雰囲気を堪能するのであった。
その2に続く。