Hail Hail

 

以前参加したセミナーの主催団体のイヤーエンドパーティに行ってみました。

 

久々に銀座に行ってきましたー。

SBA(スポーツビジネスアカデミー) という教育団体がありまして、国内外のスポーツビジネスに関するセミナーや、運営について学ぶ講座を主催されているんですが、数ヶ月前にひょんなことからあるJリーグクラブのセミナーを紹介いただき参加したことがあったんです。

で、そのSBAさんがイヤーエンドパーティを開催するということなので、直前まで興味はなかったのですが、これまたひょんなことから潜入、ではなく事前申し込みして行ってきました。
マーケティング関連でも、自己啓発でも誰も知り合いがいないセミナーとかパーティって、いつもドギマギしてます。最初の頃は一人で手持ち無沙汰になることも多々あって、少々辛い時間を過ごすこともままあります。

そのうち、ある歓談しているグループに割り込んで入って話に加わるんですが、野球や今年始まったバスケットボールのBリーグ関係が多いなか話しかけた方々はサッカーの話ができる方と何人か巡り会えました。

Jリーグのサポーターの方と話ししてたんですが、ヨーロッパのスタジアムと日本のスタジアムで何が違うのかについてお酒の勢いも乗じて語っていたら、懇親会中のプチセミナーで団体の代表の方が話していたことと結構かぶったなー、ということがあったので、それをこの場でちょっと偉そうに書いてみようと思います。

その1 試合を見せることだけに終始していませんか?

個人的にスタジアム好き でもあるのですが、日本のスタジアムに全部行ってるわけではありませんが、ここは通いたい!と思える環境のスタジアムっていくつあるでしょう。

UKを中心として回っているので、他の国はあまり知らないのですが、試合日以外にスタジアムに来る理由っていくつあるでしょうか。
日本の場合はクラブ所有ではなく自治体管理のところが多いのでうまくいかない場合もあるのかもしれませんが、まず、チケット購入、スタジアムツアー、併設のパブ、バーの利用、オフィシャルショップでの買い物。
試合の90分プラス多くても1時間の滞在時間でどれだけの収益が上がるのでしょうか。

スタジアムにもイングランドやスコットランド、他のヨーロッパの国でも、観光名所にもなるスタジアムの外観はもとより、クラブに関わる名監督や名選手の銅像が飾られています。(鹿島にはジーコ像があると思いますが)

いかに試合日以外にでもスタジアムに来たくなる理由がいくつもつけられる。さらには日本だけじゃなく海外の旅行者だってスタジアムに行きたい人も多いはずです。(友人のスコットランド人でスタジアムマニアもいます)
彼らが来やすいように、長時間滞在してもらえるようなアイデアってまだまだいろいろ出せるんじゃないかと思っています。

その2 マッチデー(試合日)の”お祭り感”をいかに出せるか

UKはもとよりヨーロッパ各国では週末になるとフットボール一色になる国や都市が多く存在します。
ロンドンなどは道歩くファンのチームカラーで今日はどことどこの試合がどのスタジアムであるかわかるほどです。

12球団しかないプロ野球と違って全国各県、各都市にあるJリーグは、ホーム、アウェーで毎週末数10試合が行われるようになりました。
それだけ全国に普及したJリーグなんですけど、マッチデーの週末って正直そんなにJリーグ感を感じないんですよね。(ちなみに片道1時間圏内で5チームのJクラブがある地域に住んでいます)
確かに電車に乗ればレプリカストリップに身を包んだファンを見かけますが、盛り上がってる風でもなく淡々としている感じ。これは日本ならではなんでしょうが。

 

一方のヨーロッパではアウェーのファンは警察の先導でフットボールスペシャル、と呼ばれる専用列車で試合のあるスタジアムに乗り込みます。また、多くのクラブではサポーターが自主的にチャーターしたバス(コーチ)で向かいます。車内では早くも酒盛りが始まり、チャントを歌いフットボールの話題で盛り上がります。

アウェーコーチ(バス)こそ盛り上がる大きな要素

アウェーのスタジアム近くでも、クラブによっては”アウェーのファンが集まるパブ”というのも存在するので、試合前にそこで食事や休憩をしながら大いに飲んで試合前に盛り上がったりします。
僕の応援しているセルティックは、どこのアウェーに行ってもセルティックフレンドリーのアイリッシュパブが存在するので、アウェーツアーの途中に立ち寄ることもあります。
そうして試合後もまた同じ列車、バスに乗り込み地元まで帰るという一種風習にも近いことを何十年も繰り返しているのです。

そんなことから、この文章を書きながら気づいたことがあるのですが、誤解を恐れずに言うと、

「祭りを盛り上げるためのある程度の作為的な集団化が必要」

なんじゃないかと思うのですがどうでしょうか。
地方のお祭りだって山車だったり、神輿だったり集団化して一斉に担いでいるから盛り上がるんじゃないかと思うんですが、フットボールやプロスポーツだって同じだと思います。

みんなバラバラに集まってスタジアムの中だけ集団化(サポーター化)して、試合が終わると再びバラバラで呉越同舟で帰っていく。
これだと、果たして興味のない人まで巻き込むことは難しいんじゃないかと思います。

パブリックディスオーダー(公共場所での騒乱)に非常に厳しい日本ではなかなか難しいかもしれませんが、ある程度の集団化は、例えば同じクラブのファン専用の交通手段を作る(多くはバスになると思いますが)とか、街中にファンが集合場所になるようなランドマークを用意するとか、ホームファンとアウェーファンを分離する手段を行うとかすると自然とトラブル回避しながら、集団化を図れるのではないかと思います。

それだけでも見た目の盛り上がり感は作り出せますよね。
大都市は難しくても中小の地方都市ならいろいろできるんじゃないかと思います。

 

ファン、サポーター同士の物理的距離を近くする事を作り出すのは、何もゴール裏だけじゃなくてもいいはずです。
それを朝から試合後まで作り出す事が出来れば、自ずと盛り上がりますし、そこに様々な消費が発生すると思うのです。

店の前に行列を作れば行列が行列を呼ぶ、の原理のようにファン、サポーターの距離をいかに早く縮め、試合日の時に長く継続させるかが、これからもっと重要になってくるのではないでしょうか。

さらには、この雰囲気を作るのはクラブだけで行うのではなくサポーターの自主性にも大きく関わってくると思います。いくら素晴らしいスタジアム、チームがあってもサポーターが自主的に盛り上げる工夫をしない限りゴール裏だけの限られた盛り上がりに終始するからです。

試合前にサポーターが集まる”場所”がある、作ることも重要だと思います。

なんてこと(後半部分は今思いつきで書きました)を飲みながら語ってたら、日本のプロスポーツビジネスは今後倍倍で市場規模を拡大させるという目標があるそうです。そのためには放映権料の増加、増収はもちろんなんですが、スタジアムで試合のチケット収入以外にも収入を拡大させなければならないと言われてました。

ああ、まさにこんなことが必要なんだよねー。なんてことを思いながら聞いていたのでした。