今日決戦の9月10日は特別な日

Hail Hail

オールドファームダービーガ行われる今日9月10日は故ジョック・ステインの命日

1985年9月10日は、翌年に開催される1986メキシコワールドカップ（マラドーナの神の手、5人抜きで話題になった大会）のヨーロッパ予選が行われ、グループ7では、スペインとアイスランドが、そしてウェールズとスコットランドが対戦しました。

試合の行われたカーディフのニニヤンパークスタジアム

場所は、ウェールズのニニヤンパークスタジアム、このニニヤンパークは元々カーディフシティのホームスタジアムでしたが、フットボールのウェールズ代表の試合もここで行われていました。現在は取り壊され、カーディフは新しいカーディフシティスタジアムに移転しています。

現在では、ユーロベスト4に大躍進のウェールズと、1998年のフランス大会以来20年近くも国際大会の桧舞台に戻ってこれないスコットランドという明暗がはっきり分かれた両代表ですが、当時は、スコットランドの方が1974年の西ドイツ大会から3大会連続で本大会出場中の強豪、ウェールズは、戦力不足は否めず1958年のスウェーデン大会以来予選敗退が続いていました。

この試合の前までに、両チームはもう一つの候補スペインと並んで5試合を終えて勝ち点6(当時は勝利は勝ち点2)で並んでいましたが、スコットランドが得失点差3で一歩リード、この試合は勝った方が本大会出場に大きく近づく重要な試合でしたが、スコットランドはアウェーなので、引き分けでも十分な結果でした。

この試合に臨むスクワッドは以下の通り、

ウェールズ代表
監督：マイク・イングランド

GK：ネヴィル・サウスウォール（エバートン）
DF ：ジョーイ・ジョーンズ（ハダーズフィールドタウン）
DF ：パット・ヴァンデン（エバートン）
DF ：ケビン・ラトクリフ（エバートン）
DF ：ケニー・ジャケット（ワトフォード）
MF ：ロビー・ジェームズ（QPR)
MF ：デビッド・フィリップス（マンチェスター・シティ）
MF ：ピーター・ニコラス（ルートンタウン）
MF ：ミッキー・トーマス（チェルシー）
FW： マーク・ヒューズ（マンチェスター・ユナイテッド）
FW：イアン・ラッシュ（リバプール）

スコットランド代表

監督：ジョック・ステイン、アシスタント：アレックス・ファーガソン

GK ：ジム・レイトン（アバディーン）
DF ：リチャード・ゴウ（ダンディー・ユナイテッド）
DF ：モーリス・マルパス（ダンディー・ユナイテッド）
DF ：ロイ・エイトキン（セルティック）
DF ：アレックス・マクリーシュ（アバディーン）
DF：ウィリー・ミラー（アバディーン）
MF ：スティーブ・ニコル（リバプール）
MF ：ゴードン・ストラカン（マンチェスターユナイテッド）
MF ：ジム・ベット（アバディーン）
FW：グレアム・シャープ（エバートン）
FW：デビッド・スピーディ（チェルシー）

スコットランドはさすがにこの当時、「ニューファーム」と呼ばれ、国内及びヨーロッパを席巻していた、アバディーンとダンディー・ユナイテッドの選手が中心でしたね。しかも面白いことにレンジャーズは、サブのデイビー・クーパー1人、セルティックもロイ・エイトキンとサブのポール・マクステイの2人だけでした。

ニニヤンパークには37,500人の大観衆で埋まり、午後7時半にキックオフされました。

それではハイライト（赤がウェールズ、紺がスコットランド）をどうぞ。

土壇場での引き分けに意気消沈するウェールズファンと喜び勇んでピッチインベージョンを行うスコットランドファンを尻目に4分35秒あたりで、一人の男性が担ぎ込まれます。

そう、試合終了間際に心臓発作を起こし倒れこんだ、ジョック・ステインでした。

倒れこむステイン。向こう側には驚くファーギーの姿も

その後、救急車で病院に運ばれましたが、治療の甲斐なくスコットランドのワールドカップ本大会出場決定を目にすることなく永眠しました。享年62歳でした。

試合後に選手に説明して回るアレックス・ファーガソン

その後、スコットランド代表は、アバディーンの監督をしながらアシスタントマネージャーを兼任していたアレックス・ファーガソンが監督代行として引き継ぎ、見事、本大会への切符を獲得し、灼熱のメキシコで安定の1分け2敗の最下位でスコットランドへ帰国して行ったのでした。（スコットランドは一度も決勝トーナメントに勝ち上がったことがないことで有名）

・・・というわけで、

いよいよ今晩！、マンチェスターダービーより30分早くキックオフ！セルティック x レンジャーズ

景気付けにゴール集などでもお楽しみください。