Hail Hail
2011年12月28日(水) その3
なんとかチケットを譲ってくれたピーターとも出会うことができて晴れてセルティックパークへ入場。長い階段をヒイコラ登り、スタンドに入るとノーススタンド(バックスタンド)の2階席、ジョックステインスタンド(メインスタンド左手のゴール裏)にほど近くゴールマウスのほぼ延長線上にある席。
4年ぶりとなるセルティックパークは、ライトアップされたグリーンのピッチが浮かび上がり決戦の時を今や遅しと待ち構えていた。
しかし風が強く時々横殴りの雨が落ちてくる。
ピッチを挟んで対角線上のコーナー側には大勢のレンジャーズファンが、陣どり対照的な青、赤、白で埋め尽くしている。
試合開始前にピーターに日本からお土産、ピーターが事前に喫煙していると知ったので成田で買ったタバコを渡す。
最初戸惑っていたが、喜んで受け取ってくれた。
試合開始前のメンバー紹介で、背番号とファーストネームのアナウンス後に、ファンが苗字を叫ぶ掛け合いで紹介を行った後、お待ちかねの「You’ll Never Walk Alone」を大合唱。
今回はスカーフではなく日本から持ってきた日の丸に東京CSCと書いたバナーをピーターにも持ってもらって掲げながら一緒に歌う。(このバナーがスカイスポーツの中継に映っていた)
You’ll Never Walk Aloneの大合唱の最中、レンジャーズファンは青、赤、白、3色のアルミ色の風船を掲げており、歌が終わると同時にピッチへ投げ込んだ。
多くの風船が暴風に乗ってピッチへ飛ばされ、スタッフがあわてて回収する。このためキックオフがしばらくできない羽目に。
この時の様子を動画でどうぞ。
試合は前半から天気同様荒れ模様。
風下のセルティックはロングボールが風で押し戻され、逆にレンジャーズのロングボールが予想以上に伸び、両チームとも収まりが悪い。
オールドファームにありがちな中盤のつぶしあいでこう着するというより、パスミスが多くなかなか両チームとも形が作れない。
ようやく試合が落ち着いてきて双方が互いにチャンスを作る。
レンジャーズはアルッコがいる右サイドを中心にクロスボールを上げ、ファーサイドでゴール前まで上がってきたリーウォレスが頭で合わせゴールに吸い込まれるが間一髪GKフォスターがかき出す。(後で見たらゴールを割っていた)
お返しとばかりセルティックも、左サイドのフォレストからクロスをサマラスが胸で落としてブラウンがダイレクトでシュート!これはGKマクレガーがセーブ。
さらにレドリーからの縦パスをサマラスがポストでフーパーヘ、フーパーが間髪入れずに強烈なシュートを放ち、マクレガーがキャッチできずに弾いたところをサマラスが詰めてゴール!かと思われたが、これはオフサイド。
レンジャーズもコーナーキックからジェラビッチが頭で落とし、詰めてたボカネグラがシュートするが枠の外、と一進一退ながら前半から双方先制点を目指して攻め合っていた。
試合からは目を離さないでいるものの頭の中ではどのタイミングでバナーを貼りに行こうか、風の影響は大丈夫か?今回ちょっとケチって素材を厚手のターポリンじゃなく布にしたことで破けたりしないか、などとちょっと心配になりながら前半終了を待っていたが、0-0で前半が終わると一斉に客先から観客がゲートへ向かい始める。
あちゃー、もっと早めに席を立てばよかった、と後悔先にたたず階段はファンに覆い尽くされるが、ピーターに促され客足の流れをかき分けながら2階席最前列へ進もうとする。
と、ここで場内アナウンス。
実はこのバナーを掲げることはセルティックファンの集まる掲示板で投稿していたので、事前にもたくさんのセルティックファンに知られていた。そんな中、マーティンがこの計画をクラブに伝えてくれ、アナウンスでバナーの紹介をしてくれたのであった。
実際には自分は聴き漏らしていてピーターがアナウンスに気づいてくれてバナーのことを言ってるよ。と教えてくれたのだが。
嬉しい、でもまだ掲げてないんだけどぉ〜とあわてて急いで最前列へ。
さすがに幅15m!狭いスペースで広げるのにも一苦労。しかも2階席最前列の前には通路などないので、ボランティアで最前列で座っているファンにお願いして広げて持ってもらうことに。
最初上下反対に掲げそうになっていたが、逆だ逆!といって入れ替えてもう一度横に広げて掲げる。
ああ、紐を結わえる穴を幾つか作っておけばよかったとまたも後悔するが、なんとか後半が始まる前の10分間ぐらいは掲げられて格好がついた。
スタンド内はハーフタイムで半分ぐらいになっていたが、これに気づいたセルティックファンが拍手をしてくれたり、1階席に座るファンの多くも上に声をかけてくれてサムアップや拍手を送ってくれた。
事前の準備もリハーサルも当日どうするかも全く頭になかったので短い間での掲載になってしまったが、ピーターや掲示板サイトのファン、クラブ、そして掲載にその場で手伝ってくれたファンのおかげでなんとかミッションを果たすことができた。
後半開始前の選手が入場してきたところでバナーを回収し、最前列のファンにお礼をいう。バナーは折りたためずぐるぐる巻きにして席に置いておいた、後ほどきちんと折りたたもう。。。
間もなく後半が始まってしまうが、3人でトイレに行き用を足したところで、ピーターが、コートの中からあるものを取り出す。 一口飲め、と勧められて飲んでみると「甘!」いけど、アルコールが入っている。
そう、セルティックパーク内はアルコール販売なし、もちろん、持ち込み禁止だったのだが、有名なトニックワイン「Buckfast Tonic Wine」を携帯ボトルに入れて高校生のタバコのようにトイレ飲みしたのである!
これには苦笑い。トイレの外にはセキュリティが立って見張っているが、さすがに何かない限り中までは入ってこない。その隙を縫った格好となった。。。
ところで、このハーフタイムの出来事には後日談があった。
この試合は残念ながら日本では早朝の中継なので、パブでライブ観戦は出来なかったのだが、なんとライブで観戦した日本人がいた!しかもセルティックパークで!
このレンジャーズ戦には、当時日本からスコットランドに帰省していて空港からセルティックパークまで送ってくれたマーティンの他に、アイルランド、ダブリン出身で東京にいたころ、東京CSCのホームパブだった「Paddy Foley’s」(現在は閉店)で働いていてその後大阪へ引っ越していったポールが見にきていた。
そのことは知っていたのだが、ポールは大阪で知り合った友人とともにセルティックパークへ来ていたのだが、その中に彼の友人の一人Sちゃん(日本人女性)がいたのだった。
Sちゃんとはもちろん面識がなく後日帰国後、Facebookでバナーの写真が投稿されたのを見て超絶びっくり!しかもそれが日本人としり、さらにびっくり!(実は前掲のバナーの画像はSちゃんが撮った写真を拝借)
まあ、掲げた自分もびっくりだけど、見ていた方も予想外のバナーにさらにびっくりしていたらしい。
非常にチケット獲得が難しいレンジャーズとのオールドファーム、さらに今回は入手に困難を極めるほど注目を集めた試合にライブでバナーを見てくれた日本人がいてくれたのは、とても思い出に残る出来事だった。
そして試合は後半へ、その4へ続く。