Hail Hail
3月15日(月)その0
の、旅行記をアップする前に、イングランドのフットボール事情を前情報として伝えないと、始められないのでご紹介します。
イングランドはFAが管轄するフットボールリーグに加盟しているチームが72チーム(チャンピオンシップからリーグ2まで)あるんだけど、さらにフットボールリーグとは別組織という形で運営されているプレミアリーグがあり、
20チームがしのぎを削っている。
つまりイングランドのプロクラブは92チームあり、その下にカンファレンスや各地域リーグのセミプロ、アマチュアクラブがそれこそ数え切れないぐらい存在している。
さらにイングランドの北に位置するスコットランドもイングランドと同じ形式ながら、1リーグ、12から10クラブずつに分かれ44チームがSFA(スコットランドFA)管轄のリーグでプレーしている。
その数イングランドとスコットランド合わせて136チーム!!!がブリテン島にそれぞれ自前のスタジアムを持ち運営されているのである。
さらにUKの首都であるロンドンには13~14ものクラブが一都市に存在するという、世界でも稀に見るフットボールシティとなっている。
ちなみにあいうえお順で行くと、(所属リーグは2015年時点)
アーセナル(プレミアリーグ)
ウエストハム(プレミアリーグ)
AFCウィンブルドン(リーグ2)※2004年当時はウィンブルドンFC
クイーンズパークレンジャース(チャンピオンシップ)
クリスタルパレス(プレミアリーグ)
ダゲナム&レッドブリッジ(リーグ2)
チャールトンアスレチック(チャンピオンシップ)
チェルシー(プレミアリーグ)
トットナム(プレミアリーグ)
バーネット(リーグ2)
フルアム(チャンピオンシップ)
ブレントフォード(チャンピオンシップ)
ミルウォール(リーグ1)
レイトンオリエント(リーグ2)
これまでの2回の旅行で、アーセナル、トットナム、チェルシー、チャールトン、フルアム、そして今回の初日にブレントフォードとウェストハム、7チームのスタジアム見学を行ったのだが、まだ半分も残っている。
初UK旅行からほとんどフットボールを中心に行動してきた身としては、試合観戦とともにスタジアム訪問をもう一つの柱としていたので、一日弱残された日程で一つでも多く回りたいと思い、最終日の朝を迎えるのであった。
もう一つ、歴史のおさらいをしておこう。
1989年のFA カップ準決勝リバプールとノッティンガムフォレストの1戦がシェフィールドウェンズデーのホーム、ヒルズボロで行われたのだが、当時、立ち見席だったゴール裏に人が溢れ、収容人員以上の観客が押し寄せてしまったことから起こった将棋倒による圧死事故、通称「ヒルズボロの悲劇」が起こった。
この事故を受けて出された調査報告書テイラーリポートを元にイングランドの多くのプロクラブが、立ち見席の廃止と全席椅子席化に移行して行ったのだが、このテイラーリポート後初めて全席椅子席化に踏み切ったクラブがある。
それが、泣く子も黙る「ミルウォールFC」のホーム、The DEN(通称ニューデン)
なんで泣く子も黙るのかというと、イングランド1凶悪と言われるフーリガン組織「ブッシュワッカーズ」を中心としてその名をUK全土だけじゃなくヨーロッパ中に轟かせているのである。
例えばオランダもアヤックス、フェイエノールトを始めとして凶暴なフーリガンがたくさんいるが、元日本代表MFの戸田和幸が所属した「ADOデン・ハーグ」も負けず劣らず凶暴なフーリガンを組織していて、彼らはミルウォールのブッシュワッカーズをお手本にしている。
UKにおいても北のリーズユナイテッド、ロンドンではチェルシー、ウェストハム、西のカーディフ、スコットランドのレンジャースと凶悪なフーリガン組織を持っているクラブに引けを取らず、(チェルシーは上品なクラブというのは合っている部分もあるけど、国内有数のフーリガン組織ヘッドハンターズを持ち、今でも各地でトラブルを起こしているのも事実)
The DENで行われる試合は毎回厳戒体制の中で行われる。
ミルウォールの一番有名なチャントは、ロッドスチュアートの「Sailing」のメロディに乗せて、
「No one likes us, No one likes us, No one likes us we don’t care. We are Millwall super Millwall we are Millwall from the DEN」とある通り、イングランド有数の嫌われているクラブであることをものともしないのである。
そんな普通では近寄らない方が賢明なクラブ、ファン、スタジアムで何が起こったのか、いや起こらなかったのか、は次回以降の旅行記で明らかに。