Hail Hail

3月14日(日) その1

7時半起床、8時半出発。

昨日チェックイン時に荷物を試合終了まで置かせてもらう約束をしていたので、チェックアウト時に宿の主人に声をかけて荷物を部屋に置いて置いた状態で鍵を渡す。

 

ウォルバーハンプトンで泊まったホテル。

昨夜泊まったホテル。インド系のオーナーのようでインド国旗が掲げてある。

 

まずはロンドン行きのコーチ(長距離バス)の時刻を確認しに行く。
実はブリットレールパスが8日間のパスで、昨日で終わってしまったため、ロンドンへ戻る算段をつけておかなければならない。

バス停で時刻表を確認すると16時半発のヴィクトリアコーチステーション行きがあり、ロンドン到着は20時頃を確認。

 

向こうの交通標識

向こうの交通標識、ウォルソール、ウェストブロムウィッチが、 近所なのがわかる。

 

その後早速モリニュースタジアムへ

早くもファンがちらほら集まっている。

このシーズンのウルブスは初のプレミアリーグ昇格で、秋にはなんとマンチェスターユナイテッドをホームで倒す大金星を上げており、さらには同じ昇格組のレスターと0-3の後の4-3という大逆転劇を起こしたり奮闘していたものの年明け以降失速し、現時点リーズ、レスターと最下位争い。
一方のアストンヴィラは8位と上位下位対決ながら残留のためにも同じ西ミッドランド勢としても負けられないダービーをこの日迎えるのであった。

念のため、一度断られているものの再度チケットオフィスで確認するがやはりチケット販売は一切なし。

この日は朝からとても風が強く、時折イングランド特有のシャワー(降ったり止んだりする雨)が降ってくる。

朝飯を食べてないので、ASDAに行って開店を待つ。

10時のオープンとともに食料を買い、店近くのタクシー乗り場で遅めの朝食。

食事後ベンチで一服していると隣に座っていた老夫婦が「今日はどことの試合?」
と聞いてくるので「ンヴィラ」と答えると、

「え?」

もう一度、

「アスンヴィラ」

「どこ?」

「アスンヴィラ!」

ああ、「アストンヴィラね」

とやっとわかってもらえたが、アクセントが違ってたので通じなかったことを実感する。

その後、ちょっと面白い話があったので紹介すると、

近くに座っていたドレッドヘアのデブのおっさん(軽くホー◯レス風)がその老夫婦のおじいさんのところにやって来て、「タバコを一本譲ってくれないか」と尋ねたところ、


「I don’t have any tabacco to SELL you, but I have a tabacco to GIVE you」
(売れるタバコは持ってないけどあげるタバコはあるよという意味)

と言ってタバコを2本差し出した!!!


かっこえええええ!!!!(≧∇≦)


なんだ断るのか、と思ったら、なんと粋なおじいちゃんだろうか。


超~~~感動!!!


そんな心温まる出来事があった後、いよいよ行動開始。

11時ぐらいからモリニューの周りをうろうろしてみる。

中々、大体こっちから来るだろうとか、目星がつけられない。さすがに四方八方から集まってくる感じ。

駅へ向かうトンネルからはウルブスのファンよりアストンヴィラのファンの方が多くやってくるので、ちょっと厳しそう。

先ほどから降り出したシャワーは止まず、激しくなることはないが、濡れると体が冷えるので外には立ってられず、雨宿りできるところに避難する。

可能性の高そうな場所は二箇所、クラブショップの入り口の側かチケットオフィスの入り口の側が一番人が集まりやすい。

名将スタンクリスの銅像をはさんで、 左手がチケットオフィスで右がクラブショップ

名将スタンクリスの銅像をはさんで、 左手がチケットオフィスで右がクラブショップ

その分もちろん注目も浴びるのは覚悟の上だが。

その二箇所でしばし代わる代わる「I need a ticket」のボール紙を掲げるが無反応か、変な奴がいる、みたいな冷笑を浴びる。。。。

当然こんなことをやってるのは自分だけ、時には通り過ぎ際に指をさして何か言ってきたり、思いっきり笑われたりする。

こんな状況の中10分、20分と時間は経過するが、一向にあまりチケットを持っていると声をかけてくるファンはいない。

そんな状況の中、さすがに気が滅入り、悪い想像がぐるぐる頭の中を駆け巡っている。

・・・こんな恥ずかしい思いをして(かなり毎回びびりながらやってる)めっちゃ笑われてるし、(そんなにダメか、冷やかされるか、このやり方)

今回の旅最後の試合なのに、チケット取れなかったら惨めだなー俺。

(>人<;)

と、まあ笑顔を作りながらも心と頭はかき乱されまくりであった。。。
(当時のネガティブ満載な表現をご容赦)

その間二度ほど声をかけられ、おばちゃんからは「really」を間に入れると良いわよ、みたいなアドバイスを、一人の男性ファンからは「ここで掲げてるとチケットが手に入るのか?」と聞かれたので「わからない」というと向こうへいってしまった。

更に一番ムカついたのが厨房ぐらいのガキ2人組が、ヘラヘラ笑いながらこっちへやってきて、近づいてきたと思った瞬間いきなり、携帯を取り出して俺の写真を撮ってダッシュで去っていった!!!


フフフ、スーパースターはツライぜ( ̄▽ ̄ )


とは露とも思わず、

ふざけんなこのガキ!!!とキレまくり! ( ` Д ´ )ムキーッ


平静を装いながらも腸は煮えくりまくっていた。

そんなこんなありながらも30分ぐらい経ったところで、

「How much?」と声をかけてくる男性ファンが一人、(あきらかにダフ屋ではない)

反射的に思わず、

「30でどお?」

というとあっさり交渉成立!!!

金を払ってチケットを受け取り、

チケットゲットォ!!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

よく確認しないままだったが、どう見ても普通のファンにしか見えなかったし、こんなタフな状況でまさか余りチケットを見つけられるとは思っていなかったので、思わず取引してしまった。

取引が終わって別れた後に遅まきながらチケットを確認、間違いなく今日のチケットだった。

よっしゃあーーーー!!!!

と、軽く叫びながら30分以上のきっつい時間を終えてチケットをゲットした喜びに浸る。

これで、今回の旅の観戦予定試合は、途中予定変更もありながらもコンプリート!

しかも、FA CupオールドファームダービーUEFA CUPプレミアでのミッドランドダービーと、ほぼほぼ難関の試合のチケットを全て(適正価格)でゲットできた満足感が半端ない。

衝撃の初海外、初UK旅行から足掛け3年、悔しい思いを晴らすため、さらにはフットボール観戦に伴う楽しさ、
(移動、宿泊、交渉、出会い、英会話、そして寒さと熱狂)を満喫するために、お金と時間をかけてきた甲斐があったと、その時思ったり思わなかったり。。。

ASDAに戻り、冷えた体を暖めるためにワインを購入し、祝杯を兼ねながら飲む。

チケットのゲートに向かうため歩いてるとチャリティを呼びかけているファンのボランティアがいたので、気前が良くなり小銭を寄付する。

そして、いよいよターンスタイルをくぐって今回最後の観戦試合へと臨むのであった。

 

良かったよー、チケット取れたよ~!

良かったよー、チケット取れたよ~!

 

ひさびさにその2に続く。