Hail Hail

 

「もし」UCL 予備予選の相手がリンフィールドになった場合、アウェイ、ウィンザーパークでのセルティック側チケットは販売されず!

 

 

これから始まるセルティックのヨーロッパでの冒険に、異常事態が発生しそうな可能性があります。

初戦となる予備予選2回戦は、サンマリノのラ・フィオリタか北部アイルランドのリンフィールドの勝者に決まりましたが、前回の投稿でもお伝えした通り、リンフィールドは北部アイルランドにおけるレンジャーズと同じ立ち位置で、セルティック並びに、クリフトンビルなどのカソリックのクラブに異常なまでの嫌悪を持っているクラブです。

70年代から80年代イングランドを発端に吹き荒れたフーリガニズムによりスタジアム内での暴力トラブルが激増した時代、リンフィールドは当時アイリッシュリーグ(北部アイルランドのリーグ、南部はまた別のリーグがある)で、前述の同じベルファストに居を構えるクリフトンビルや、今はクラブとして存在していないドニゴール・セルティックのファンなどと頻繁に暴力沙汰、暴動行為を繰り返していました。


そもそも、ベルファストを中心とする北部アイルランドの独立政治闘争(カソリックとプロテスタントさらにイギリス軍と警察で四つどもえのテロや報復行為による数多の事件)がベースとなっていますので、単に隣町のチームやファンがむかつくといった、イングランドのケースとは根本的に異なるのです。


そしてさらに7月中旬〜後半のこの時期、ベルファストでは、最悪な趣味のイベントが行われます。
それが、ベルファストを中心とした北部アイルランドのプロテスタント住民による、ボンファイアナイト(焚き火)です。

発祥や経緯などちょっと個人的には勉強不足なのですが、7月に木のパレットを高さ10メートル以上積み上げ、今年は7月の12日、チャンピオンズリーグ予備予選の日と同日に一斉に燃やすというイベントです。

さらにその当日にはプロテスタントのマーチングバンドが厳戒態勢の中、アジテーションとして街中を行進するというイベントなのですが、その高く積み上げられたパレットにはアイルランドの国旗やセルティックのフラッグなどがデコレーションされます。


つまり、南部アイルランドやカソリックの象徴であるセルティックを燃やす、という意味も多分に含まれています。

(ユニオンジャックも飾られますが、燃やすときには外すんだと思います。旗を燃やす=占領するとか焼き捨てるという意味も込められているので)

ベルファストの有名なプロテスタント地区、サンディーロウで行われたボンファイアナイトで、ティナターナーの「Simply Best」のメロディに乗せ、「Fxxk the Pope and IRA」(Popeはカソリックの最高指導者であるローマ法皇、IRAはアイルランド共和国軍)を歌うプロテスタント住民。

 

こんな時期にセルティックとリンフィールドが、もし対戦することになると大変になると、北部アイルランド警察とリンフィールド、そしてセルティックが会合を開き、以下のような取り決めを合意しました。

 

・1stレグのウィンザーパークでの試合を11日、12日ではなく、14日の金曜日にシフトする。

・ウィンザーパークでの試合ではセルティックファンへのチケットの販売は行わない。(つまりアウェー側無観客試合)

 

・ラ・フィオリタと対戦の場合は、通常通り11日もしくは12日にファーストレグを戦う。

 

これに対し多くのセルティックファンから非難の声が上がっています。
日程のシフトはまだしもアウェーチケットを一切発売しないことについてです。

ベルファストよりも危険な地域や相手(イスタンブールでのフェネルバフチェとかアヤックスとか)や、カザフスタンなどの辺境の地でもアウェーに乗り込んで応援してきたセルティックファンからしたら、ウィンザーパークでのアウェーでの試合など、そこまでじゃないと主張しています。

これは一概にはなんとも言い難いですが、試合日前後にグラスゴーやスコットランド、アイルランドからベルファストに大勢のセルティックファンが詰めかけベルファストにいるセルティックファンと当然パーティを行うのは間違いありませんが、それを狙ってリンフィールドやレンジャーズのファンが襲撃するという危険性は当然のことながら起こりえます。(今でもそんな襲撃事件はちょいちょい起こっています)


セルティックの伝説の監督、故ジョック・ステインは、「Football without fans is nothing」(ファンのいないフットボールなんて意味がない)という名言を残しましたが、今回の措置はそれに反するものだ、という批判がセルティクファンの間で巻き上がっています。

個人的にはリンフィールドとの対戦が実現しないことを望みつつ、もし実現したとしてもトラブルだけは起こってもらいたくないところです。

2回戦の対戦相手が決まる1回戦の試合は、6月29日と7月5日に行われます。