Hail Hail
2016年3月12日(土) その2
赤ワインとカロリー高めの食事で体温も上がり、ようやく元気が出てきたので、パーティの会場であるKnustへ向かう。
会場は倉庫を改造したライブハウス兼複合施設で敷地内の中庭ではボロ市的なバザールが夕方までやっていた。
2度目に入ったら入り口がオープンしていたので、チケットを渡して入場。入り口に入ったところはロビーのようになっており、ドアを隔てた奥に会場がある。
まだ、会場には2割ぐらいの人しか来ていないので階段で2階へ行き、空いている手すりに東京CSCのバナーを貼る。
けっこういい位置に貼ることができたので満足満足。(^ω^)
昨日から会っているマークやサンドラたちに合流しようかとも思ったが、そのまま2階で見ることにする。続々と1階に集まってくるファンを見ながら過ごしてると時折手を振ってくれる。
誰だかわかんなかったりするのだが。。。σ(^_^;)
7時半を過ぎても始まらず、8時になってやっと最初のバンドが出てくる。
その名もミラントアブリゲード。メンバーは全員ドイツ人なのだが、演奏する曲は全部セルティックソング!という素晴らしいバンド。\(^o^)/
ただ、なぜか同じ曲をやるのにドイツ人らしく曲調は骨太ww
バンドが出てくる直前ぐらいから聞きなれないチャントが会場でこだまする。また、セルティックソングでもサンパウリのチャントでもない曲をファンが歌い出している。
さすがに聞いたことなく、なんだろーと思ってたのだが、後で調べたところ、イタリアのアンチファシストスキンヘッズバンド、「ロスファスティドス」(LOS FASTIDIOS)の「Antifa Hooligan」(アンティファ フーリガン)という曲とおそらくスペインの「シンディオス」(SIN DIOS)がオリジナルであろう「Alerta anti Fascista」(アレルタ アンティファシスタ、この曲は色んなバンドが違うバージョンで出している)の2曲らしい。
“LOS FASTIDIOS” 「Antifa Hooligan」
“SIN DIOS” 「Alerta Antifascista」
ちょっとフットボールの話題から離れるけど。。。
80年代から、欧米のパンクバンドが反ナチズム、反白人至上主義を掲げていてその中には、右傾的とみられていたスキンヘッズ(Oi)やスカバンドが呼応していた。
これは70~80年代のフットボールフーリガニズムやヨーロッパでの不況をネタにフットボールファンを扇動していたネオナチや極右政党、集団に対抗するため、一方でフットボール+パンク(左傾的、社会主義、平等主義的、反差別、反体制)のムーブメントも起こっていたようである。その先進で代表的,象徴的なクラブがFCサンパウリなのである。
現在でも、移民、難民の流入や経済格差、ゲイ、レズ、障がい、職業などの色んな差別に反対するフットボールファンやミュージシャンが、アンチ・ファシズム、レイシズムの旗の下、国やリーグを超えて連帯し、団結しているのである。
セルティックファンも長らくイングランド、スコットランド、アメリカ等で「アイリッシュ」ということで色々な差別、弾劾を受けてきた人々の子孫が多いので反体制的なマインドが強く、このパーティなどを通してそれ(英語で抵抗を意味するレベル=rebelとファンは呼んでいる)を主張、発散させているようだ。
だからこのパーティも先ほどのアンティファフーリガンやアンティファシスタのチャント、IRAのチャントなどがかなり頻繁に飛び交い、普段はスタジアムなどでは歌えないようなアイリッシュレベルソングを、ミラントアブリゲードは演奏していた。
個人的にはもっとフットボールよりな感じを期待していたのだが、ちょっと面食らった感じは否めなかったなー。まあ、これはクローズドのパーティで行われていることだし、何かプロパガンダしているわけではないのでいいか。
ヨーロッパのフットボールに関わると密接に関わってくるトピックなので、もし、興味を持った方がいるならYoutubeやgoogleで「Antifa」等で検索すれば色々と知ることができると思う。
ちょっと話題がそれたが元に戻すと。。。
ミラントアブリゲードは、もちろんおなじみのセルティックソングもたくさんやってくれたので盛り上がって楽しかった。
Millerntor Brigade 「Just Can’t Get Enough」
曲の間は他のセルティックファンやドイツのサンパウリファンから声をかけられる。バナーを褒めてくれたり、ビールを奢ってくれたり、一緒に写真を撮ったり。
ただ、最初のミラントアブリゲードが終わって次のバンドの頃にはもう10時になっていた。
このままの計算だと、後2バンドあるから終わるのは午前2時!近くなる。
次のバンドが始まるまでの間、いろいろなファンと仲良くなる。サンパウリファンで6月に東京に来るマックスや、もうサンパウリよりガチのセルティックファンになってしまったミック(ドイツ人)、スカンソープCSCの大柄なジョー、名前が出てこないけどベルファストから来た2人とか。。。
会場にはセルティックファンとサンパウリファンも半々ぐらいで、目分量だけど300人以上は来たたのではないか。
2番目はイタリアのバンドでレノン ケリーというバンド。アイリッシュソングの曲を8ビートのリズムで演奏する。フィドルやアコーディオンを使ってるので、ドロップキックマーフィーズに近いかもしれないけどイタリア人が演奏するからかもっとポップな感じ。オリジナルの曲等も演奏するなかなかかっこいいバンド。
Lennon Kelly 「Galway Girl」
「The Fields of Athenry」
そして、間も無く日付が変わろうというときに、トリを務めるグラスゴーから来た「シェビーン」の登場。このころにはシートで寝てるファンや、徐々に帰り始めているファンもいるが、バナーを貼り付けている手前、終わるまで帰れないので見ていくことにする。
「boys of the old brigade」「roll of honor」「something inside so strong」等骨太なレベルソングを立て続けに演奏し、場内を盛り上げる。
最初の頃は立錐の余地なく人で埋まっていたので、手すり側を確保しているのでいっぱいだったけど、この頃になると2階もかなり空いているスペースもでき始めたので、いろいろ移動しながら見てたら、自分の貼り付けたバナーがたるんできたので、慌てて張り直しに戻る。他のバナーは、プラスチックの結束バンドで縛っていて緩まない。
あれだと、逆にライターとかカッターとか持ってないから外す時困るんだよなー。でも、紐だとやはり緩んでくる。
ライブも終盤になってくると、ファンもステージ上に上がり始め一緒に歌い出していたので、他のファンからも誘われたので行こうかとも思ったが、今回は上から見ていた。
Shebeen 「You’ll Never Walk Alone 」
「go on home British soldiers & Just can’t get enough」
ラストの曲も終わったが、会場内では、アレルタ、アレルタ、アンティファシスタ!のチャントがしばらく続き、余韻をひきづりつつも、客も引き始めたので、バナーを回収し撤収する。
今回は一度も下の階には下りなかったので、仲間に会うことは叶わなかったが、新しい仲間がたくさんできて楽しかった。
時間は2時を過ぎ、さて、帰るかと外に出ると盛り上がった両方のファンが、入口近くで集まっている。何人かはこの寒空の中上半身裸!、Let’s all do the huddle を歌い出しハドル(円陣)の輪ができていた。さすが元気だねー。
かなり冷え込むサンパウリの街をひたすら脇目も振らず歩き、まっすぐホテルに着いたのは3時近くであった。こんな時間で寒いのにリーパーバーンは人が絶えない。冷えた体を少しでも温めようとシャワーを浴びて就寝。
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